
高年齢者雇用における労務問題と実務対応
書籍説明
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■解説
企業はこれからどのように高年齢者を活用し労務管理を行っていくべきか…?
定年再雇用・定年延長・処遇設計,定年後再雇用に当たらない雇用について,実務に精通した弁護士らがわかりやすく解説!!
■具体的事例53問を精選
■Q&A形式で紛争への有効な対策と解決法を詳解
■高年齢者雇用に関わる法制度・法改正について平易に解説
■最新重要判例に基づき紛争リスクを分析
■各種書式例も掲載
高年齢者雇用に関する紛争を回避・解決するための決定版
はしがき
筆者(はしがき)が弁護士登録して間もない2004年,高年齢者雇用安定法(高年法)の改正により,満65歳未満の定年の定めを設けている事業主に対して高年齢者継続雇用確保措置が義務付けられた。もっとも,当時は,労使協定により対象者選定基準を設けることが可能とされ,いかにして定年後再雇用の対象者を限定するか,また,継続雇用をする場合でもどの程度まで処遇を下げることが可能なのかといった内容の質問や相談が少なくなかった。高年齢者継続雇用確保措置は国の公的年金制度の失策を企業に押し付けたものであるとの論調も根強くあり,言葉を選ばずに言えば,継続雇用制度のもとでの再雇用労働者が厄介者として扱われている感を覚えることも少なくなかった。
当時から予測されていた我が国の少子高齢化は,その後予測を遥かに上回るペースで進行し,読者各位もご承知のとおり,生産年齢人口(15歳~64歳)の減少に歯止めがかかることは考えにくい状況である。超高齢化社会と化した我が国において,高年齢の労働力も貴重な人的資源であることに疑いの余地はなく,今後,高年齢の人材をいかにして活用し,活躍してもらうのかがより一層重要になってくることは論を待たない。現実に,筆者も75歳以上のいわゆる後期高齢者にあたる労働者の処遇に関する相談を受けることもあり,実社会において,こうした年齢層の高年齢者を雇用している例も決して珍しくないものと思われる。
本書では,2021年4月施行の改正高年法及び2025年末までに国から公表された情報や公刊された裁判例等をもとに検討,解説をしている。高年法において,65歳までの雇用確保措置及び65歳から70歳までの就業確保措置(努力義務)が定められていることもあり,一般的には法の枠組みの中で60歳まで雇用されてきた事業主のもとで就業するケースが最も多いと考えられる。そのため,本書においても法の枠組みの中での処遇に関するテーマに多くの紙幅を割いているが,実際に筆者が相談を受ける高年齢労働者の処遇の中には,高年法の上記両措置の枠外の事例も頻繁にあり,実社会においても上記両措置の枠外で雇用されている高年齢労働者も少なくないと考えられ,本書ではこれらの労働者に関するテーマも取り扱っている。
本書が,超少子高齢化社会と化した我が国で活動している事業主の方々やそのサポートをしている方々において,貴重な人的資源である高年齢の人材を適正かつ効果的に活用していくにあたっての一助になれば望外の喜びである。
編著者:
杜若経営法律事務所
■書籍内容
第1章 高年齢者雇用安定法の概要
Q1 定義, 事業主の責務の概要
Q2 定年後再雇用の高年齢者雇用安定法上の行政的取締りとその他罰則規定の運用
Q3 高年齢者雇用安定法上の定年後再雇用における民事的契約法上の取扱い
(私法上の効力)
第2章 定年後65歳までの有期労働契約での継続雇用
❶継続雇用制度の内容
Q4 高年齢者雇用安定法9条1項2号が求める継続雇用制度の内容
Q5 定年後再雇用しない対象者基準を設ける際の注意点
Q6 定年前の人事評価に応じた労働条件の異なる再雇用制度の可否
Q7 定年・再雇用制度の整備と就業規則の記載例(65歳以上も再雇用する場合など)
Q8 定年後再雇用と同一労働同一賃金(パートタイム・有期雇用労働法8条・均衡待遇)
Q9 定年後再雇用と同一労働同一賃金(パートタイム・有期雇用労働法9条・均等待遇)
❷初回契約時の留意事項
Q10 継続雇用の希望の有無について, いつ, どのような方法で確認すべきか
Q11 定年前と異なる労働条件を提示したが,労働者が同意せず,対案を提示してきた場合
の対応
Q12 労働条件や待遇の引下げ(基本給・賞与不支給・諸手当の力ット・福利厚生の待遇引
下げ等)
Q13 賃金総額ベースで大幅な減額が許容されているケースの具体的事情
Q14 定年後再雇用者に役職を継続させる場合の待遇
Q15 制度上は定年後再雇用者を役職に就けることを想定していないものの例外的に役職を
継続させる場合,どのような問題があるか
Q16 専門的な業務を任せる場合の待遇
Q17 高年齢労働者が従事する業務内容についてどのような就労上の配慮をすべきか
Q18 労働日数,労働時間をどのように設定するべきか
Q19 再雇用時の労働契約書作成の留意点
❸契約更新時の留意事項
Q20 65歳までの雇止め①(経営悪化)
Q21 65歳までの雇止め② (勤務態度不良等)
Q22 65歳までの雇止め③ (リモートワークと健康状態)
Q23 更新時の契約変更の留意点,変更に応じない場合の対応
❹その他・全般的事項
Q24 労働条件が折り合わず他社に就労した場合の秘密保持,競業避止の問題
Q25 再雇用の元上司からのパワーハラスメント,再雇用者への差別(エイジングハラスメ
ント)やパワーハラスメントについての対応
Q26 グループ会社(特殊関係事業主)で継続雇用する場合の留意点
Q27 グループ会社(特殊関係事業主)と労働者との間で労働条件の合意に至らなかった場
合の取扱い
Q28 定年後再雇用者の年次有給休暇の取扱い(自社での再雇用と特殊関係事業主での継続
雇用の違い)
Q29 定年後再雇用における無期雇用と有期雇用の違い
第3章 定年の延長・廃止
Q30 定年の延長と定年の定めの廃止との違い,定年を廃止する場合の法的留意点
Q31 定年を60歳から65歳に延長する際の留意点(基本給,退職金,賞与の在り方,現存
する嘱託社員との待遇差,役職・役割の異同)
Q32 60歳以降の賃金水準を60歳到達前よりも低くすることの可否
Q33 事業所別又は職種別に,定年年齢に差異を設けて定年の引上げを行うことの可否
Q34 定年延長を選択制とする場合の法的留意点
第4章 定年後65歳以降の雇用
Q35 65歳での契約終了の留意点
Q36 65歳以降の再雇用の対象者選定基準設定の可否・内容
Q37 再雇用の対象者選定基準に基づく不採用について争われた場合の契約の成否
Q38 65歳以上の高年齢者の再雇用契約の留意点
Q39 グループ会社,他社で継続雇用する場合の問題,事業主間の契約,無期転換
第5章 65歳以降の就業確保(創業支援等措置)
Q40 創業支援等措置として採用することができる措置の内容
Q41 創業支援等措置の導入に必要な手続
Q42 創業支援における問題(個人事業主化,企業が継続的に業務委託する制度)
Q43 創業支援・業務委託と安全対策
第6章 定年後再雇用には当たらない高年齢者の雇用
Q44 高年齢の有期雇用労働者からの継続雇用の申出
Q45 定年後再雇用ではない高年齢有期雇用労働者の問題(雇止め法理,更新上限,65歳以
降の無期転換申込権行使)
Q46 高年齢者の無期転換ルールの特例措置の適用対象
Q47 無期転換後の定年の取扱い
第7章 高年齢者の雇用等に関する全般的事項
Q48 高年齢労働者の健康確保と安全配慮義務
Q49 他社の高年齢者を雇用するうえでの留意点
Q50 認知症が疑われる定年後再雇用者に対する雇止め,産業医等との連携
Q51 フリーランス契約(定年後フリーランスの増加)とフリーランス法における留意点
Q52 一度離職した高年齢労働者が復帰する場合の問題
Q53 高年齢労働者の親族等の看護や介護の問題

