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著作権トラブル解決実務ハンドブック


著者・編者三山 裕三

発行元青林書院

発行年月日2019(令和元)年10月16日


書籍説明

※こちらの書籍は PDF 形式でのご提供となります。

※本書籍は『Legalscape』を有料契約中のお客様の場合、購入せず閲覧可能な書籍です。

■解説

●いかに戦略を練り,いかに思いの結果を得るか。条文,判例,実務慣行の知識を集約。
●豊富にチャート・書式・文例を掲げ,間接事実やポイントを特記。実務家の目線で端
 的に解説。法律実務家,企業内弁護士・法務部員,企業の現場担当者に最適。
 平成30年著作権法改正対応。


はしがき
 編著者は,平成20年から9年間にわたり,東京理科大学専門職大学院の客員教授
として,「著作権法実践特論」(後に「著作権法特論」)の講義を担当した。
 本書の構想及び内容は,かかる講義の内容及びレジュメをベースにしている。
この講義で第1に心がけたことは,「交渉における戦略」の視点である。
弁護士は,権利者,侵害者いずれの代理人にもなる。
権利者側であれば,いかに侵害者に圧力をかけ,迅速に最大の成果を得るか,侵害
者側であれば,いかに権利者からの圧力を回避し,可能な限り有利な結論を導くか,
に腐心しなければならない。
 交渉においては,費用対効果の制約のもと,戦略を練り,圧力をかけ(もしくは
回避し),相対的にプラスの結果を導く必要があるが,そこでは相手方との心理的
な駆け引きに加え,依頼者の説得という大事な作業もある。
油断して相手方との交渉にだけ専念していると,思いもかけず背中から弾が飛んで
くることがある。
 実務家であれば,トラブルの解決(紛争の終息)という目的を達成するため,適時
かつ適切に,最良の手段を行使して当面の目標を達成し,その積み重ねの末に目的に
到達すべく,最善努力しなければならない。
しかし,これは著作権法の分野に限らず,いかなる領域の法律問題の解決であれ,方
法論としては同じである。
とはいえ,その取り扱う対象が著作権法の条文,判例及び実務慣行という専門的分野
であるが故に,それなりの知識及びノウハウが要求される。
第1部第1節は「交渉における戦略」の中身であり,第2部はその教訓からの進化で
ある。
 この講義で第2に心がけたことは,「著作権法の実務的解析」の視点である。
第1部第1節「著作権紛争(著作権トラブル)の発生から解決にいたるまでの流れ」
も,第2部「平時における免疫力の向上」も,第1部第2節「著作権紛争(著作権ト
ラブル)の類型」の正しい理解があってはじめて可能になる。
 理論的考察は多くの他書に譲り,ひとえに実務家の視点から著作権法の条文等を解
析し,それによって本書の個性(特色)が浮き出るように努めた。
 チャートを多用し,適宜,ポイント,間接事実,文例等を抽出のうえ特記したのは
そのためであり,加えて新鮮さを出すため,平成30年の著作権法改正にも言及した。
とはいえ,実務家的視点に基づき著作権法をダイナミックに照射するという本書の性
格と,コンパクト性を重視すべく紙数を意図的に制約したことから,網羅的かつ詳細
な記述はあえて控えた。
 この点については,編著者著の『著作権法詳説〔第10版〕』(2016年,勁草書房)
で補完していただければ,本書との両輪になって,著作権法全体の理解が容易になる
ものと確信している。
 令和元年7月吉日
 三山 裕三


■編著者
三山裕三(弁護士)

■共著者(執筆順)
津島一登(弁護士)
佐原祥太(弁護士)
田中慎一(弁護士)


■書籍内容

第1部 著作権紛争(著作権トラブル)に巻き込まれたときの有事対応(1)
第1節 著作権紛争(著作権トラブル)の発生から解決にいたるまでの流れ
1 端緒
Ⅰ 発見
Ⅱ 情報提供
Ⅲ 内部告発
2 目的(トラブルの解決=紛争の終息)
Ⅰ 目的と目標の区別及び手段の選択
Ⅱ 権利者側の場合
Ⅲ 侵害者側の場合
Ⅳ 侵害判断が微妙な場合
3 目標(当面の請求)
Ⅰ 将来の利用(の停止) ⇒ 差止め
Ⅱ 過去の利用(の経済的補填) ⇒ 損害賠償又は不当利得
Ⅲ 名誉・声望の回復等⇒ 適当な措置
Ⅳ 謝罪+再発防止誓約
4 手段(解決方法)
Ⅰ 内容証明郵便の送付
Ⅱ 証拠保全
Ⅲ 和解
Ⅳ 仮処分
Ⅴ 本訴
Ⅵ 民事調停
Ⅶ 知財調停
Ⅷ 日本知的財産仲裁センターによる調停・仲裁
Ⅸ 紛争解決あっせん制度
Ⅹ 税関における輸入差止申立制度
第2節 著作権紛争(著作権トラブル)の類型
1 著作権の独占的性格
Ⅰ 禁止権(差止請求権)の付与
Ⅱ 弊害に対する歯止め(制限)
2 全体鳥瞰図と著作権紛争(著作権トラブル)の中身
Ⅰ 著作権紛争の発生場面
Ⅱ トラブルの宝庫としての判例とそこから得られる教訓
Ⅲ 判決文の構造
Ⅳ 著作権紛争(著作権トラブル)の解決指針
3 主体(著作者)を巡る紛争
Ⅰ 創作者の判定(協力者・補助者)
Ⅱ 法人著作
Ⅲ 下請・外注
Ⅳ 共同著作者
Ⅴ 編集著作者
Ⅵ 映画製作者
Ⅶ 出版権者
Ⅷ 間接侵害
4 利用(著作権)を巡る紛争
Ⅰ 利用と使用
Ⅱ 著作財産権
Ⅲ 権利制限規定
Ⅳ 著作者人格権
Ⅴ 設定出版権(利用の許諾)
Ⅵ 著作隣接権
Ⅶ 利用者の過失責任(注意義務)
Ⅷ 不法行為責任
5 客体(著作物)を巡る紛争
Ⅰ 保護対象
Ⅱ 例示著作物(10条1項)
Ⅲ 二次的著作物(翻案物)
Ⅳ 編集著作物
Ⅴ データベース
Ⅵ 共同著作物
Ⅶ 無保護のもの(題号,キャッチフレーズ,スローガン,古美術)
6 その他の紛争
Ⅰ みなし侵害
Ⅱ 刑事罰
Ⅲ 発信者情報開示請求
Ⅳ 他の知的財産権等との抵触(衝突)

第2部 平時における免疫力の向上
1 法務の3ステージとその留意点
Ⅰ 法務の3ステージ
Ⅱ 各ステージにおける留意点
2 著作物の創作段階における留意点
Ⅰ 依拠の必要性
Ⅱ 依拠していない場合
Ⅲ 依拠していても非侵害になる場合
Ⅳ 無意識の依拠
Ⅴ (非依拠の反証になる)創作日時の立証
Ⅵ (権利者側による)依拠の立証
3 著作物の利用段階における留意点
Ⅰ 権利制限規定の要件充足
Ⅱ 許諾取得
Ⅲ 恒常的に著作物を取扱う事業者(利用者)の注意義務
Ⅳ ネットユーザ等個人利用者の留意点
Ⅴ ビジネスソフト利用上の留意点(個人及び法人)
4 契約書,覚書,メールなどの書面の作成
Ⅰ 書面の重要性
Ⅱ 誰と合意するか
Ⅲ 何を合意するか
5 契約類型毎の留意点
  A 中核条項
Ⅰ 譲渡系契約(著作権譲渡契約,複製権譲渡契約,原盤譲渡契約)
Ⅱ 制作委託系契約(コンテンツ制作委託契約,ソフトウェア開発契約)
Ⅲ ライセンス系契約(出版権設定契約,債権的許諾契約)
  B 一般(ボイラープレート)条項
6 著作権等管理事業者との契約
Ⅰ 利用者及び権利者による確認事項
Ⅱ 日本音楽著作権協会(JASRAC)
Ⅲ 日本複製権センター(JRRC)
Ⅳ 出版者著作権管理機構(JCOPY)
Ⅴ 学術著作権協会(JAC)
Ⅵ 実演家著作隣接権センター(CPRA)
Ⅶ 映像コンテンツ権利処理機構(aRma)
Ⅷ 日本レコード協会(RIAJ)
Ⅸ 出版物貸与権管理センター(RRAC)
7 著作権者不明等の場合の裁定制度の利用
Ⅰ 裁定制度の利用
Ⅱ 著作権者不明等の場合(67条)
Ⅲ 放送及び商業用レコードの場合(68条・69条)
8 著作者表示(推定規定)と登録の活用
Ⅰ 著作者の推定
Ⅱ 登録
9 商標登録の要否
Ⅰ 商標登録と著作権の関係
Ⅱ 絵画等の美術作品の商標登録の可否
10 法人著作の活用(15条の4要件の吟味)
Ⅰ 防衛的な意義(著作財産権及び著作者人格権が法人に原始的に帰属することのメリット)
Ⅱ 4要件の吟味
11 著作権法以外のコンプライアンス
Ⅰ コンプライアンス一般
Ⅱ 独占禁止法
Ⅲ 下請法
Ⅳ 不法行為(民法)
Ⅴ 肖像権
Ⅵ パブリシティ権
Ⅶ 商標法
Ⅷ 特許法,実用新案法,意匠法
Ⅸ 不正競争防止法
12 外国との契約(準拠法,裁判管轄,仲裁)
Ⅰ 準拠法
Ⅱ 裁判管轄
Ⅲ 仲裁
Ⅳ 膠着状態になった場合の優先順位

¥5,060(税込)
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