
【法律実務基礎講座】 事実調査・証拠収集の技法と実践 ――重要スキルの解説と法曹倫理
書籍説明
調査手法、事案の見立て、裁判外と裁判上での証拠収集の技法と倫理に関する研究の到達点を解説!
交通事故、離婚、遺産分割、労働、医療といった具体的事例をもとに、弁護士が受任した事件の事実をどのように調査し、証拠を収集するのかを実践的に解説!
事件別の技法や証拠提出を求められた際の対応も解説!
単にノウハウだけではなく、弁護士倫理や弁護士職務基本規程、真実義務等も含めて事実調査のあり方を探求!
第1編 総論事実調査・証拠収集の意義、技法、倫理
第1章 事実調査・証拠収集の意義
Ⅰ 意 義
Ⅱ 段階とそれに応じた見通し・方針の立案
1 依頼者からの聞き取り、手持ち証拠の確認
2 調査が容易な事項の調査
3 公的機関や第三者の下にある証拠の取寄せ
4 専門家等の鑑定的な意見の収集
5 相手方の側にある事実や証拠へのアプローチ
6 訴訟等の手続を経たうえでの収集
第2章 事実調査・証拠収集の技法と倫理
Ⅰ 裁判外の各種の事実調査と証拠の収集
1 依頼者からの聴取と証拠の確認
2 登記関係の調査
(1) 不動産登記情報等の収集
(2) 商業登記情報等の収集
3 戸籍・住民票関係
4 相手方の所在調査
5 事件現場の調査・写真等
6 金融機関の取引履歴
7 診療録
8 刑事事件記録
9 行政情報
10 医師・建築士等の専門家の意見書
11 弁護士会照会(弁護23条の2)の使い方
(1) 弁護士会照会制度
(2) 照会申出における留意点
(3) 回答書の取扱いにおける留意点
(4) その他の留意点
(5) 照会先から相談を受けた弁護士としての対応
12 会話や電話等の録音
13 電子メール、ウェブページ、ネット上のSNS等の記録
(1) パソコン・スマートフォン等の端末上に蓄積された電子メール記録等
(2) ログファイル
(3) ウェブページ上の情報
(4) SNS等の情報や記録
14 関係者からの聴取
(1) 依頼者側関係者からの聴取の場合
(2) 相手方側関係者からの聴取の場合
【過労死事案における会社関係者からの聴取・資料入手のケース】
15 相手方への任意の開示要求
Ⅱ 裁判上の主な証拠収集
1 文書送付嘱託(民訴226条)
(1) 意 義
(2) 文書送付嘱託を利用するのに適した場面・事項
(3) 弁護士法23条の2に基づく照会(弁護士会照会)との比較
(4) 申立て、証拠決定
(5) 送付文書の証拠調べ
(6) 文書所持者が送付に応じないとき文書提出命令の申立て
2 文書提出命令(民訴219条~225条)
(1) 意義、証拠収集手段としての評価
(2) 具体的な利用例
(3) 文書提出義務(民訴220条)
(4) 会計帳簿等(会社434条等)
(5) 申立て、審理(民訴221条~223条)
(6) 文書の特定のための手続(民訴222条)
(7) 申立てに対する審理・裁判(民訴223条)
(8) 文書提出の方法・提出文書の提示と書証の提出(民訴規143条、137条等)
(9) 文書提出命令に従わない場合等の効果(民訴224条、225条)
3 調査嘱託(民訴186条)
(1) 意 義
(2) 調査事項調査嘱託をするのに適した場面・事項
(3) 調査嘱託の申立て、嘱託先
(4) 調査嘱託の手続
(5) 調査応諾義務
(6) 調査報告(回答)と証拠調べ
(7) 弁護士会照会(弁護23条の2)との比較
4 鑑定(民訴212条~217条)、鑑定嘱託(民訴218条)
(1) 鑑 定
(2) 鑑定嘱託(民訴218条)
5 検証(民訴232条)と検証物提示命令・検証物送付嘱託
(1) 意義、概要、検証の利用例
(2) 検証を実施する前提としての検証物の収集手段
(3) 裁判所外における進行協議期日(民訴規97条)を利用した現場の検分(「事実上の検証」裁判官による土地、建物の状況等の確認)
6 証拠保全(民訴234条~242条)
(1) 意義、利用される場面
(2) 証拠保全の要件(民訴234条)
(3) 管轄(民訴235条)
(4) 申立て、審理(民訴規153条)
(5) 証拠保全の決定
(6) 職権による証拠保全(民訴237条)
(7) 証拠保全決定に基づく証拠調べ、相手方の防御権の内容
7 訴え提起前の証拠収集(民訴132条の2~132条の9)
(1) 意義、活用のあり方
(2) 訴え提起前における照会
(3) 訴えの提起前における証拠収集の処分
8 当事者照会(民訴163条)
(1) 意義、効果的な利用のあり方
(2) 照会の対象事項主張または立証を準備するために必要な事項
(3) 照会の方式(民訴規84条、47条)
(4) 照会への回答
(5) 相手方の回答義務と回答拒絶事由
(6) 回答拒絶に対する制裁の有無、誠実な回答がない場合の対応
9 求釈明・証拠の提出要求
(1) 裁判所の釈明権・釈明処分(民訴149条、151条、170条5項、176条4項)および当事者による求釈明
(2) 求釈明・証拠の提出要求の活用
Ⅲ 事実調査や証拠収集のための照会・求釈明、証拠の開示・提出要求、文書送付嘱託・調査嘱託の申立て等に対する対応
【ケース1:離婚・相続事件で預貯金の開示を求められた場合】
【ケース2:株主代表訴訟において関係記録の提出を要求された場合】
【ケース3:交通事故事件において全診療科の診療録の文書送付嘱申立てがなされた場合の対応】
第2編 各論事件類型にみる事実調査・証拠収集
第1章 交通事故事件
Ⅰ 概 要
1 交通事故事件の争点
2 交通事故事件の特徴
Ⅱ 交通事故事件の証拠収集
1 事故の発生
2 相手方車両の登録事項
3 事故態様ないし過失
(1) 刑事記録
(2) 事故現場の状況
(3) 車両の損傷状況
(4) 映像記録
(5) 信号サイクル表
(6) 損害保険調査会社作成の報告書・事故発生状況図
(7) 文 献
(8) 目撃者
(9) 相手方
(10) 依頼者側の事故当事者
4 人的損害
(1) 治療費
(2) 通院交通費
(3) 入院・通院付添金
(4) 休業損害
(5) 逸失利益
(6) 慰謝料
(7) 医師に意見書の作成を求める場合に留意点
5 物的損害
(1) 修理費
(2) 買替差額
(3) 買替諸費用(登録手続関係費)
(4) 評価損
(5) レッカー代
(6) 代車使用料
(7) 休車損
第2章 離婚事件
Ⅰ 離婚事件の特徴
Ⅱ 離婚事件の争点
1 離婚原因
(1) 民法770条1項の規定
(2) 事例①の検討
(3) 事例②、③の検討
2 夫婦間に子どもがいる場合
(1) 親 権
(2) 養育費
(3) 面会交流
3 財産分与
4 慰謝料
Ⅲ 聴き取りにおける留意事項
1 初回相談において聞き取るべき事実
(1) 基本情報
(2) 家族構成
(3) 交際から離婚相談に至るまでの経緯
(4) 離婚原因
(5) 双方の職業(年収、就業時間等)
(6) 双方の財産
2 事実調査・証拠収集
(1) 離婚原因
(2) 親 権
(3) 養育費
(4) 面会交流
(5) 財産分与
3 証拠をいつ、どのように使うのか
第3章 遺産分割事件
Ⅰ 遺産分割事件の特徴
1 当事者の人間関係
2 利益相反(受任にあたって特に留意すべき事項)
Ⅱ 各 論
1 遺言の有無と有効性に関する証拠
(1) 遺言の有無
(2) 遺言の有効性
2 相続人・受遺者の確定
(1) 相続人の調査
〔資料1〕 戸籍全部事項証明書(被相続人の死亡記載)
〔資料2〕 改製原戸籍
〔資料3〕 戸籍全部事項証明書(法定相続人の現在戸籍)
〈図1〉 相関関係図
(2) 受遺者の調査
(3) 相続放棄者の有無
3 遺産の範囲と評価
(1) 資産の調査
〔表1〕 固定資産税・都市計画税納税通知書
〔表2〕 固定資産税(土地・家屋)課税通知書
(2) 負債・葬儀費用の調査
(3) 遺産の評価
〔表3〕 L弁護士作成のZの遺産目録の例
(4) 当事者が、相手方に対する遺産の開示を拒否する場合
4 特別受益
(1) 金員の贈与
(2) 不動産の贈与
(3) 動産の贈与
5 特別受益の持戻免除の意思表示
6 寄与分
(1) 金員の負担
(2) 被相続人の事業への貢献
(3) 被相続人の療養・看護への従事
第4章 労働事件
Ⅰ 労働事件の特徴・事例の検討
1 労働事件の特徴
2 事例の検討
Ⅱ 要件事実と基本的事項の聴取
1 はじめに
2 地位確認請求の要件事実
3 時間外割増賃金支払請求の要件事実
(1) 要件事実
(2) 労働時間に関する特例
4 解雇無効および残業代支払請求における典型的な争点
(1) 解雇無効の典型的な争点
(2) 残業代支払請求の典型的な争点
5 聴取すべき事項
(1) 基本的な事項
(2) 解雇無効に関する事項
(3) 残業代支払請求に関する事項
Ⅲ 労働事件の証拠資料
1 基本的な事項
(1) 労働契約書(雇用契約書)
(2) 労働条件通知書
(3) 内定通知書
(4) 就業規則、賃金規程
(5) 給与明細書
2 解雇無効に関する証拠資料
(1) 解雇通知書、解雇理由証明書
(2) 電子メール(LINE等のSNSを含む)
(3) 勤務評定、業務記録等
3 残業代支払請求に関する証拠資料
(1) 証拠資料総論
(2) 証拠資料各論
(3) 証拠が一部欠如している場合
Ⅳ 証拠資料の収集の方法
1 本人による収集
2 代理人による収集
Ⅴ 使用者側代理人としての対応
第5章 医療事件
Ⅰ 調査活動の必要性
1 医療の専門性
2 結果の「悪性」≠医療機関の責任
3 システムとしての医療
4 医療事件の流れ
Ⅱ 初回相談への対応
1 事実関係・経過の把握
2 調査の受任と留意点
3 相談者への受容と被害への寄り添い
4 医療機関との対応状況
Ⅲ 調査活動における証拠の収集
1 調査活動の基本的な考え方
2 想定される証拠
(1) 診療記録
(2) 医学文献
(3) 協力医の意見(意見書)
(4) その他
3 診療記録の収集(カルテ開示)
(1) 診療記録の取得方法
(2) 任意開示
(3) 証拠保全
(4) その他
4 医学的知見の収集
(1) 医学的知見を収集する意義
(2) 医学文献
(3) ガイドライン
(4) 添付文書
Ⅳ 診療経過の検討
1 診療経過の分析の基礎
2 診療記録の記載方式・編綴の概要
(1) 記載方式
(2) 編綴の概要
3 診療経過一覧の作成
Ⅴ 協力医からの意見聴取
1 協力医からの意見聴取の必要性
2 協力医の探し方と質問の仕方
(1) 協力医の探し方
(2) 質問の仕方
3 協力医の意見の評価
4 指摘意見書の要否
Ⅵ 求説明交渉
1 求説明交渉の意義
2 説明会の開催
Ⅶ 医療事故調査制度への対応
1 医療事故調査制度の概要
2 医療事故調査制度の活用
Ⅷ 調査活動の終結
1 調査結果の整理と依頼者への報告
2 調査終了後の選択
・事項索引
・執筆者一覧

