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情報刑法Ⅰ サイバーセキュリティ関連犯罪


著者・編者鎮目 征樹西貝 吉晃北條 孝佳荒木 泰貴遠藤 聡太蔦 大輔津田 麻紀子

発行元弘文堂

発行年月日2022(令和4)年06月15日


書籍説明

サイバー犯罪への刑事規制を横断的に解説

ウイルス、ハッキング、盗聴、データ改ざん・暗号化――。社会のデジタル化に伴いサイバーセキュリティ侵害の手段・態様も多岐にわたる現代を見据え、刑法典や特別法のなかに散在するさまざまなサイバー犯罪対策のための刑事規制を体系的に整理したうえで、解釈論を詳説。コンピュータに関する基礎知識など技術面に加えて、具体的ケースを用いるなど実務面にも目配りをした〈サイバーセキュリティと刑法〉の決定版。

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第Ⅰ部 総論
第1章 サイバーセキュリティ基本法と刑法
第2章 サイバー犯罪に関連する技術的解説
第3章 サイバーセキュリティと刑法総論

第Ⅱ部 各論① サイバーセキュリティ侵害に関わる犯罪類型
第4章 不正アクセス罪
第5章 サイバー犯罪としての通信の秘密侵害罪
第6章 マルウェア関連犯罪(不正指令電磁的記録に関する罪)
第7章 電磁的記録不正作出等罪・電磁的記録毀棄罪
第8章 電子計算機損壊等業務妨害罪

第Ⅲ部 各論② 情報の内容に関わる犯罪類型
第9章 電子計算機使用詐欺罪
第10章 営業秘密侵害罪
第11章 個人情報データベース等の保護および秘密保持義務
【事項索引/判例索引】


【詳細目次】
第Ⅰ部 総論

第1章 サイバーセキュリティ基本法と刑法
 第1節 サイバーセキュリティとは
  Ⅰ サイバーセキュリティ基本法における「サイバーセキュリティ」
  Ⅱ 情報の安全管理のために必要な措置
  Ⅲ 情報システムおよび情報通信ネットワークの安全性・信頼性の確保に必要な措置
  Ⅳ サイバーセキュリティに関する犯罪とサイバー犯罪
 第2節 サイバーセキュリティ基本法の機能
  Ⅰ 基本法の制定・改正の経緯
  Ⅱ サイバーセキュリティ戦略本部とNISCの権限
 第3節 サイバーセキュリティ基本法の解説
  Ⅰ 条文構成
  Ⅱ 総則(第1章)
  Ⅲ サイバーセキュリティ戦略(第2章)
  Ⅳ サイバーセキュリティ戦略本部(第4章)
  Ⅳ 基本的施策(第3章)

第2章 サイバー犯罪に関連する技術的解説
 第1節 法的概念としての電子計算機と電磁的記録
 第2節 電子計算機を構成する要素
  Ⅰ 電子計算機(コンピュータ)の仕組み
  Ⅱ コンピュータの種類
  Ⅲ IoT機器
 第3節 ネットワークの基礎
  Ⅰ ネットワークの構成要素
  Ⅱ TCP/IP
  Ⅲ Webサーバ
  Ⅳ サーバとクライアント
  Ⅴ P2P
  Ⅵ クラウド
  Ⅶ 無線LAN
  Ⅷ ネットワークセキュリティ
 第4節 プログラム
  Ⅰ プログラムの基礎
  Ⅱ アプリケーション、ソフトウェア
  Ⅲ データベースとSQL
  Ⅳ デコンパイル、デバッグ、リバース・エンジニアリング

第3章 サイバーセキュリティと刑法総論
 第1節 刑法の基本的な考え方
  Ⅰ 罪刑法定主義
  Ⅱ 法益保護主義
  Ⅲ 犯罪論の体系
 第2節 構成要件該当性
  Ⅰ 基本形(故意単独犯)
  Ⅱ 構成要件の修正(処罰の早期化のための法技術としての未遂犯、予備罪)
  Ⅲ 構成要件の修正(共犯)
 第3節 サイバー犯罪における違法性阻却
  Ⅰ 基本的視点
  Ⅱ 緊急行為としての正当化事由
  Ⅲ 日常的行為としての正当化事由
  Ⅳ 超法規的な違法性阻却事由
 第4節 有責性(責任)
  Ⅰ 総説
  Ⅱ 故意犯処罰の原則
  Ⅲ 構成要件該当事実の認識
  Ⅳ 故意阻却事由
 第5節 刑法の適用範囲(場所的・人的適用範囲)
  Ⅰ 総説
  Ⅱ 国内犯(刑法1条)
  Ⅲ 国外犯(刑法2条~4条の2)
  Ⅳ サイバー犯罪条約が犯罪化を要求する犯罪類型および営業秘密侵害罪の国外犯処罰態様

第Ⅱ部 各論① サイバーセキュリティ侵害に関わる犯罪類型

第4章 不正アクセス罪
 第1節 不正アクセスとは何か
 第2節 不正アクセス禁止法の趣旨および不正アクセス罪の保護法益
 第3節 アクセス制御機能とアクセス管理者による同機能の運用モデル
  Ⅰ アクセス制御機能:総説
  Ⅱ アクセス管理者の位置づけ
  Ⅲ 識別符号とそれを付与される利用権者
  Ⅳ アクセス制御機能の実質的な限界
 第4節 不正アクセス行為の攻撃類型
  Ⅰ 不正アクセス行為の「結果」
  Ⅱ 識別符号入力類型の特殊性とその形態
 第5節 不正アクセス罪が成立しない場合
  Ⅰ アクセス管理者のイニシアティブに基づく(同人自身によるまたは同人の承諾に基づく)行為
  Ⅱ 利用権者(各ユーザ)の承諾のある場合
  Ⅲ 特定アクセス行為

第5章 サイバー犯罪としての通信の秘密侵害罪
 第1節 通信の秘密侵害罪の概要
 第2節 通信の秘密侵害に関する個別規定
 第3節 通信の秘密侵害罪の制度趣旨および保護法益――総論
  Ⅰ 通信の秘密の保障の制度趣旨――憲法の議論も踏まえて
  Ⅱ 通信の秘密侵害総論
 第4節 電気通信の秘密侵害罪
  Ⅰ 電気通信の意義
  Ⅱ 保護法益
  Ⅲ 電気通信事業法および有線電気通信法上の通信の秘密侵害罪
  Ⅳ 電波法上の規制
   
第6章 マルウェア関連犯罪(不正指令電磁的記録に関する罪)
 第1節 本罪についての基本的理解(罪質・保護法益)
  Ⅰ 総説
  Ⅱ 条文・成立要件の全体像
  Ⅲ 本罪の保護法益
 第2節 本罪の成立要件の概観
  Ⅰ 総説
  Ⅱ 電子計算機の意義
  Ⅲ 客体(不正指令電磁的記録等)
  Ⅳ 行為類型と目的要件
  Ⅴ 「正当な理由がないのに」の意義
 第3節 不正指令電磁的記録概念の限界
  Ⅰ 問題の所在
  Ⅱ デュアルユース・ツールの扱いについて
  Ⅲ コインハイブ(Coinhive)事件

第7章 電磁的記録不正作出等罪・電磁的記録毀棄罪
 第1節 完全性・可用性に関連する犯罪類型
 第2節 電磁的記録不正作出等罪
  Ⅰ 総説
  Ⅱ 本罪の客体
  Ⅲ 人の事務処理を誤らせる目的、不正作出・供用
 第3節 電磁的記録毀棄罪
  Ⅰ 総説
  Ⅱ 本罪の客体
  Ⅲ 電磁的記録の毀棄

第8章 電子計算機損壊等業務妨害罪
 第1節 総説
  Ⅰ 条文
  Ⅱ 立法の経緯と3つの業務妨害罪の関係
  Ⅲ 犯罪成立要件の全体像
 第2節 業務とその妨害
  Ⅰ 総説
  Ⅱ 「人の業務」の意義
 第3節 犯罪成立要件
  Ⅰ 総説
  Ⅱ 電子計算機(本罪の客体)の意義
  Ⅲ コンピュータに対する加害行為(動作阻害惹起行為)
  Ⅳ 業務妨害を発生させうるコンピュータの動作阻害
  Ⅴ 未遂犯

第Ⅲ部 各論② 情報の内容に関わる犯罪類型

第9章 電子計算機使用詐欺罪
 第1節 はじめに――モデルケースの確認
 第2節 基本構造――詐欺罪との類似性
 第3節 各構成要件要素
  Ⅰ 財産権の得喪もしくは変更に係る電磁的記録
  Ⅱ 行為類型①――作出型
  Ⅲ 行為類型②――供用型
  Ⅳ 財産上不法の利益
 第4節 未遂
 第5節 罪数
  Ⅰ 複数回行われた本罪同士の関係
  Ⅱ 詐欺罪との関係
  Ⅲ 窃盗罪との関係
  Ⅳ 横領罪との関係
  Ⅴ 背任罪との関係
  Ⅵ 不正アクセス罪との関係
 第6節 その他の問題――有料サービスの不正利用

第10章 営業秘密侵害罪
 第1節 総論
  Ⅰ 営業秘密侵害罪の全体像
  Ⅱ 保護法益
  Ⅲ 罰則の水準等
 第2節 営業秘密の3要件と各企業においてこれを具備・維持するための視点
  Ⅰ 秘密として管理されていること(秘密管理性)
  Ⅱ 事業活動に有用な技術上または営業上の情報であること(有用性)
  Ⅲ 公然と知られていないこと(非公知性)
  Ⅳ 営業秘密性を確保するための工夫
 第3節 営業秘密侵害罪に該当する行為
  Ⅰ 各類型の概観
  Ⅱ 各行為類型の概要   
 第4節 営業秘密侵害行為に対する予防措置の検討
  Ⅰ 外部からの攻撃に対する予防措置
  Ⅱ 内部からの攻撃に対する予防措置
   
第11章 個人情報データベース等の保護と秘密保持義務
 第1節 個人情報データベース等の提供等に関する罪
  Ⅰ 直接罰導入の経緯(平成27年改正)
  Ⅱ 令和2年改正、令和3年改正
  Ⅲ 個人情報データベース等の提供等に関する罪(個人情報保護法174条・179条)
  Ⅳ 行政機関等の職員に対する罰則規定
 第2節 サイバーセキュリティに関係するその他の秘密保持義務
  Ⅰ 秘密保持義務
  Ⅱ 秘密保持義務に関する各法令の比較
  Ⅲ 漏えい行為に関する論点
【事項索引/判例索引】

¥3,850(税込)
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